2010年6月27日日曜日

「武器よさらば」ヘミングウェイ

最近通い始めた図書館。図書館はいい。買うまでいかない本を読めるし、興味なくてもなんとなく借りて意外にも自分の中でヒットしたりする。
茂木健一郎氏の本もそう。松岡正剛と茂木健一郎の対談本を読んで興味を持った。
それはまたいづれ書くとして、昨日読み終わったヘミングウェイの「武器よさらば」の感想を書こう。
内容は、アメリカからイタリア兵に入った主人公の話。フレディは軍の負傷者を運ぶ役目を担う。なので前線に行き、自分も被弾してしまう。そういうなかでイギリス人の看護師(イギリスとイタリアは一緒にオーストリア、ドイツと戦っていた)と恋に落ちる。被弾した傷で一時はこの看護師キャサリンと素敵な療養生活をミラノで送る事はできたのだけれども、傷も治り、また前線へ出動させられた。
色々あり脱走し、キャサリンを連れてスイスへ亡命する事もできた。
しかし、そこでの生活は楽しいものばかりではなかった。
結局フレディは、生まれるはずだった子供も、キャサリンも失ってしまう。
戦争のさなかで見るさまざまな形の「死」
救護隊として働いてきた時も死は自分の間近にあったフレディだが、死を死とはっきり認識したのはこの時だったと思う。
死体は元々死体だったわけではなく、一つの人生が無残にも終わってしまったという形。
生きようとする兵士、理由なく処刑される兵士、生きようとしたのに撃たれる兵士、よく報道される、
「アフガニスタンで20名死亡」
そういう言葉の重みが想像できた。20名の人生がそこで消滅してしまった。

とはいっても、この作品は非常にラブストーリーな面も多い。
もうわかったよ君らがラブラブなのは!とうんざりしたくなる時もある。
キャサリンもいちいち「ああ、あなたは本当に最高ね」って言いすぎだよ。
これは日本人だから思うのかな?翻訳されたものだからそう思うのかもしれない。
あと、フレディ酒飲みすぎ。黄疸まで出ちゃってるんだから。

この作品はヘミングウェイ自身の戦争の体験をもとに書かれている。残念ながら、ヘミングウェイはアメリカへ帰ったあと看護師にふられてしまうのだけれども。

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