2010年5月24日月曜日

入院記録⑥

ある夜、救急車で一人患者さんが運ばれてきた。
夜中2時に病室がざわざわするから気づいてしまった。
患者さんはもう落ち着いたみたいで大きな声で話している。
静かにしてくださいくらい看護師さん言ってくれたらいいのに。。。
どうやら少し耳が遠いみたいで大きな声になってしまっていたらしい。
おかげでその人がどうして運ばれてきたのかがわかった。
元々腎臓結石で通院中だったようで、石が尿管に移動してしまったらしい。
救急車の中では意識が遠のくくらいの痛みで、親族の人によると
「先生、私癌なんでしょう?それならそうと言ってください」
と必死に言っていたそうだ。救急員もなんと答えていいのやらで、ようやく病院に着いて、担当の先生も急いで駆け付けて内視鏡で処置をした。
医者って大変だあ。その間も「癌なんでしょう?」と言っていたようで、先生は
「絶対に違いますから。本当に違いますから!」
と説き伏せていたらしい。
病室に来た時には落ち着いており、その話が笑い話となっていた。
「私そんなこと言ってたの?まあ・・・・・迷惑かけたねえ・・・・」
親族が引き揚げたあと、とてつもないイビキをかき、本当に今救急車で運ばれた人なのだろうか・・・と疑問を抱いた。
いつもは隣の90歳のおばあさんも小さないびきをかくのだけど、全く聞こえないところをみるとおばあさんも寝られないらしい。
そして、6時半の起床の時間。看護師さんが担当の部屋をまわってくる。そこで、その患者さんがひとこと、
「もうね、ぜんっぜん眠れないの。」
え!!!!!あれはいびきではなかったのか!!!!?
本人は寝た実感がないのかもしれないけど、親族が引き揚げたのが3時。そっから3時間半ずっといびきが聞こえていたのに・・・・
でも、後々このおばちゃんに面白い事件がふりかかり、とてもほんわかできたのです。
結果的には、いびきは毎日うるさかったけどいい人だったなあ。

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