2011年5月22日日曜日

坊っちゃん~夏目漱石~

敬愛する茂木健一郎様が好きな夏目漱石を
私は「こころ」しか読んだ事がありませんでした。
これはいかん!あれほどの文豪の作品をたった一つしか読んだ事がないとは。。。
震災で図書館がつぶれ、いまだ復旧しないので本屋に行き購入。
今までの夏目漱石への印象は、
文体がしっかりして生真面目
堅苦しい
こころしか読んだ事がないくせにこんな印象を持っていたのが恥ずかしい。
やってくれました、坊っちゃん。
そんな印象を一瞬にして払拭。
東京の上流家庭に生まれた一人の男が、わけあって愛媛の中学校の教師として赴任してくるお話です。
江戸っ子の彼と愛媛の田舎の先生や生徒との戦いが、とてもほほえましく書かれています。
しかも江戸っ子のせいか、この主人公、大層口が悪い(笑)
教師一人一人にあだなをつけている様などは、まるでいたずらっ子のよう。
東京でお世話してくれた年老いた女中の「清」の存在も本当にいい。
主人公を「坊っちゃん」と呼び、破天荒で問題ばかりおこしている坊っちゃんの事をいつも
「坊っちゃんは裏表がなくていい男だ」と褒めている。
坊ちゃんも、清の事をいつも大切にしているのがわかる。
すごく口が悪くて、年がら年中悪口を言って周りをバカにしている主人公なんだけど、
すごくまっすぐで、実は純粋で、とても魅力的。
読んだ後に、人との絆や、古き良き田舎の日本を感じさせる作品でした。
全く堅苦しくなんかなく、むしろ痛快で、時々声をあげて笑ってしまうほど面白い。
かなりのオススメです。


「こころ」を読んだ時は、内容が内容なだけに、ずーん。。。ときた。
文体もシリアスな感じで書かれている。
同じ作家が書いたとは到底思えないこの違い。
夏目漱石、恐るべし!

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