2010年7月26日月曜日

After Dark Haruki Murakami

アフターダークを読んだ。
夜の繁華街のファミレスにいる少女が知り合いの男から声をかけられるところから始まる。男は姉の同級生で、少女は少ししか彼の事は覚えていない。話しかけられるのもめんどくさいのだが、断るのもめんどくさいのでそのまま前に座る事を許す。
近所で、ラブホテルで殴打された中国人の売春婦がいるのだが言葉がわからないとのことで、その男の知り合いのラブホテルで働いている女性から通訳を少女は頼まれた。
その一方、ずっと眠り続けている美少女のいる部屋へと話の視点は変わる。部屋にあるテレビの画面からは顔の映っていない男の姿が現れている。それが何をさしているのかはわからない。ただその美少女は昏々と眠り続けている。

ごく普通の少女
殴打された中国人売春婦
殴打した客
眠り続ける美少女
ラブホテルの従業員

この5つのシチュエーションから話は形成されている。
売春婦はなぜ殴打されたのか、殴打した客は普通に会社にまた戻り一人残業をしているその異常性、なぜ美少女は眠り続けているのか、それらの謎を解明するのはたいした意味をなさない。
これはたった一つの夜に始まり夜明けと共に終わった、ごく普通のできごとだからだ。
その夜は、ある人には普通の夜となり、ある人には人生における何かの出発点となる夜であり、またある人には悲劇の夜となる。
夜という一つのくくりの中で、様々な人間がいて、様々な夜があり、人それぞれの「普通」というものがある。
私の普通は他の人の普通なのだろうか?
そういう事を考える作品だと私は思う。

2 件のコメント:

  1. すごいね!プロの論評みたいだ!!
    私が今読んでるのはマイケル・ジャクソン著「ムーンウォーカー」です。とてつもなく分厚い本を満員電車で読んでいます。
    私もアメブロやってます。お暇な時にご覧下さい。
    http://ameblo.jp/hachu72/

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  2. コメントありがとーー!みんな口頭では言ってくれるんだけど書いてくんねーんだよなあ。
    ザマのブログこれから行ってみっかー。

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