2010年1月7日木曜日

家族

私は今住んでいる場所に小学校4年までしかいなかった。そのあと引っ越しを繰り返し、ニュージーランドに留学し、帰国し、親もその間に退職したので今いる場所に戻ってきた。
兄の小学生の時の友達だったGさんの家は荒れ果て、まるで人が住んでいないかのようになっていた。庭には木はなく、塀もなく、何か植物を植えている気配もない。通りから直接見えてしまうその家にはカーテンもなく、家の中は家具でさえも揃っている感じではなかった。
時折二階に明かりが点く事で、ここに人が住んでいるという事が確認できた。
ここには兄の友達だったGさん一人が住んでいるのは明白だった。
後から母に聞いた。
Gさんの父親はずいぶん前に病気で他界し、母親は自殺した。
昔の家族団らんだった頃を思い出しながらそこで、その頃あったものそのまま、それらが朽ち果てる中で生活していくことはGさんにとって幸せなのだろうか?
幸せなんてものは人それぞれだとは思う。けれど、あの荒廃した家でたった一人生活することが幸せだとは到底私には思えない。
家の中というのは住む人の心を表すものだというのを聞いた事がある。それが本当だとしたら、あんなに寂しい心の中はないのだろうか。

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