2009年8月9日日曜日

爆弾爺さんがホストファミリーにゲストで追加。


写真はママ自慢の庭です。
1月になるとホストファミリーのママがどうもそわそわしている。ドイツから友達が来るのよ、彼は前にもニュージーランドに来た事あって、もう72だってのに英会話学校通ってたのよと、何度も何度も、毎朝、毎晩私に教えてくれた。おー、また一人年寄りが増えるのかとそれくらいにしか思わなかったが、どうも夫婦二人とも歓迎というよりはそわそわしている。

その人が到着する日。私は家で空港まで迎えに行った二人とそのドイツ人を待っていた。庭から一人おじいさんが入ってくる。あ!彼か!と思い、あいさつすると、こころよく

「HELLO!nice to meet you!I’m Adolf.you can call me ADDY!」

と自己紹介してくれた。ドイツのゲルマン系とでもいうのだろうか、彫の深い、丸みを帯びた鼻のアディ。しかもその名前アドルフって・・・。ナチスドイツのアドルフさんですか?と聞きたくなる。

ドイツでは昔アドルフという名前は一般的だったのだけど、ヒットラーが亡くなり、その悪行の影響でアドルフという名前はあまりつけられなくなったのだそうだ。なので、アドルフ=お爺さん、と思っても大丈夫らしい。

しかもアディ、ファミリーと違ってパソコンも使いこなす。ノート型を持ってきていて、しきりに会ったばかりの私に、写真を見るか?と誘ってきた。ドイツの家の写真とか、誕生会の写真とか色々見せてくれ、二人で見ていると、ママが、「何そんなの見てんのよ!ナイスなポテトが冷めるから早くしまって!」と言い、普段なら私だけなので、しまうところなのだろうけど、頑固なドイツ人のアディは、全く聞かぬふり。

「ママもみなよ」と誘っている。

そう、このママとアディ、全く会話がかみ合わない。個性の強い二人なので、お互いがお互いの要求を話すだけで先へ進まないのだ。さすがの強靭なママもアディの前では屈服気味。

前も、ドイツの話をするアディにママが怒り、「ニュージーランドが世界一最高なのよ!ドイツなんてなんなのよ」と言いだした。こうなっちゃアディだってヨーロッパの意地を貫きとおさなければならない。結局喧嘩。でもアディはちょっと大人で(っつーかお爺さんなんだけど)、今日は酔っぱらってるからまたねとすり抜けた。ママはまだずーーーっと怒っている。その声が部屋の中にまで聞こえる。

アディは私の学校と近所の所に通ってたので、一緒にバスに乗って毎朝でかけた。バスの中でアディは、

「あいつはナイスポテトとナイストマトしか言わねえ。何かってーとナイスポテトだ。ふざけんな、ニュージーランドなんかテレビだって全然面白くないし、ドイツはチャンネルがいっぱいあるんだ!」

70を超えた二人がする会話とは到底思えないけれど、私は面白かった。確かにママはかなり強制的な人だったし、本当に毎日ナイスポテトと言っている。私の食事はナイスだと、あんなに普通言うものなんだろうか?日本人は謙遜の文化なので、特にそう思うのかもしれないけど、それにしてもママはすごいと思う。多分ママは今まで言われるがままのパパと一緒にいたので、こんなに反論される人には出会ってないんだと思う。

余談だけど、ママは本当に極論を言う人で、前に、

「なぜニュージーランドには野良猫が少ないんだと思う?この辺だってたくさんいたのよ。でも全くいなくなったの。なぜだと思う?中国人が猫を食べちゃったのよ」

ほんと、内心そりゃねーだろと思って聞いていた。だって、うちによくくる猫いるじゃんか。中国人が猫を食べるのかどうかは知らないけど、食べてたとしてもそこは文化の違いだからどうこう言うべきものではないと思うが、だから野良猫が減ったって・・ねえ?バードアイランドの異名を持つNZですから、むしろ良かったんじゃないの?って言ったら怒られるかな。

アディはNZ生活を謳歌してて、毎週末に学校に来るツアー会社のツアーで旅行に行っていた。一日で帰ってくるものがほとんどだったが、時折宿泊することもあった。こういうツアーってほとんどがバックパッカーに宿泊なので、BBHに泊る72歳ってすげーなーと感心。ほんと、人間何歳になってもチャレンジ精神は忘れちゃいかんって思った。

アディ話はまだ続く。

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