「君はナースウッドというものを知っているか?」
開高健の言葉。
ナースウッドとは、大木になれずに朽ち果てる木の事で、
その木でキノコは息吹き、虫などの棲みかとなり、更には分解されて他の植物の栄養となる。
開高健は、ベトナム戦争に従軍し、同胞がたくさん亡くなっていく現実を体験している。
茂木健一郎氏は、その事にふれ、著書でこう書いている。
「「あなたの人生にナースウッドはあるか?」と開高は問う。倒れてこそ育まれるものがある。
弱者、敗者に優しい言葉である。」
前にBSで見た開高氏の釣りのドキュメンタリーが非常に面白くて、
開高氏の自然に関する考え方、人間に対してのユーモアのある言葉、
そういう言葉らに魅了された時間でした。
茂木さんの本をたまたま読み返して、この部分に心をうたれたのは、
なんだろうな?と考えた。
失敗や困難は人生の大きな糧だと信じているけれど、
それが揺らぐ時に、ナースウッドという言葉が優しくささえてくれそうな、
そういう開高健の言葉。
心にとめておこう。
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