手術が終わって、麻酔もほぼ切れた。
病室に戻ってきた。
「具合は大丈夫ですか?」の看護師さんの問いかけに
「気持ち悪いです」と答えた。
「吐き気止める薬入れますか?」
「お願いします」
「吐きそうですか?」
「はい。」
こう会話したのを覚えているが、本当に吐きそうだったのかどうか思いだせない。たいした事ないけどこう答えちゃった、って感じがするのだが、やはり冷めたとはいえども多少麻酔は残っていたのかな。
私は自慢ではないが、ものごころついてから吐いた事がほとんどない。
昔アジにあたってくるしくて、微妙に吐いたと言えばはいたような・・・って程度しかない。
他はどんなに吐き気があろうと酒を飲もうと吐いた事はない。
その私が、「吐きそうですか?」の問いに「はい」と答える。これはやはり思考能力が麻酔によって落ちていたのだろう。
夜になって、こそこそ声が聞こえる。ベッドの脇に看護師さんと先生がいる。術後の尿の量が少なすぎると話している。
「ああほんとだねー。少ないねー」っていつもとはうってかわった優しい声の先生。
なんだ、、、優しいしゃべり方できるんじゃん。いつも看護師さんに厳しい(時々患者にも厳しい)事言ってるのしか聞いた事ないけど。
「明日動けますか?」と聞いてみると、
「動けるよ・・・・・あ、動けますよ」
あー・・・良かった・・・と安堵の気持ちと共に半分意識落ちる。
でも、水分を含んだ酸素マスクの水滴がほとんど鼻に入ってきてたので、何度か溺れた気分になって起きた。
次の日、胸につけた心電図を取り、水分はほとんど鼻に入った酸素マスクも取り、体を動かせるようになった。ちょっとベッドの頭を上げると、ふらーーーっとする。
2日絶食で、水分も1日半とらず、しかも生理後に手術すりゃーそれはそれは体力も落ちるってもんで。
でもその日の看護師はいつもの人と違った。年配のスパルタ看護師が担当だった。
起き上がるのすら辛い私に
「立つのよ!!!立たないとダメなのよ!!!」
ライオンの子供を育てるのはこのような状態なのだろうか?周りの手術をしていない寝ている患者が恨めしく思えた。その時は言われなかったけど、今は結構こうやって手術後は動かすらしい。ネットで調べたところによると、特に婦人科の手術を受けた人は、多臓器に癒着するのを防ぐ為に動かすという事だ。
しかし起きるとお腹が痛い。脊髄から麻酔が入っているとはいえ、弱めに入っているのでお腹は痛い。でも怖くて傷口は見る事はできなかった。一体どれくらい切られているのか知るのが怖かった。
その日、看護師の言うまま、なんとか病室の入り口まで歩く事ができた。
歩数にして10歩。これで精一杯。
腸が動かないので水分はまだ飲めず。ガスが出ないと飲食はダメだという事で、神経を腸に集中したが、前回の内視鏡手術の時同様、全然出ない。
出たって嘘ついてしまおうか?と思ったけど、頑張って頑張って、お腹に力入らないから神経をとにかく腸に集中して、なんとか夜に微妙に出た。出たっていえる?と言われると自信はないが、多分出た。
水分が採れるって幸せだーーー!
ギリギリ夕飯に間に合ったので、おもゆを出してもらった。
おもゆはこの上なくまずかった。
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